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久々のブログアップです。
新小岩の弊社サロンギャラリーの引越し作業に追われる中、
A型インフルエンザに感染。酷い12~1月でした。

引越し作業中、昔のスクラップブック(懐かしい響き)に
朝日新聞 朝日求人 2003年6月29日から4週連載 の
資生堂名誉会長 福原義春氏の連載記事。
表題「文化は仕事の燃料である」
のスクラップに目がとまる。
実に納得させられる記事。

福原氏のような企業人が稀少になった今の日本を嘆く。

日本を代表する企業家、文化人で、読書家としても有名である。
数ある著書のひとつ「文化資本の経営」(ダイヤモンド社1999年刊行)も
現在の企業家にも読んで頂きたい。


かつて内戦状況のグルジア共和国を訪ねた。
国立美術大学からの招聘で「日本の彫刻の歴史」をテーマにした講義のために訪問。
街の中心地の歴史的建物には生々しく弾痕が残り、断水停電も頻繁に起こる。
ライフライン復旧さなかの状況下での招聘、講義である。
当初30名ぐらいの学生の講義ときいていたが、当日は200余名の学生、OB、彫刻家が集まった。

講義のあと、水、電気もままならない復旧状況での海外からの招聘の理由を尋ねた。
「ライフラインの復旧だからこそ招聘したのだ。文化面での復旧なくして
本当の復旧は考えられない。同時に進めなければいけない」との回答に心打たれた。
文化も必要不可欠なライフラインなのだ。


福原氏の古い記事を見て、そんな体験も思い出した。

懐かしい響きを感じる「スクラップブック」
アナログな情報蓄積。
切り抜いた新聞紙は黄色く紙やけしている。
紙は風化を始めているが、思考は風化しない。
アナログもいいものだと、しみじみ。

引越しの整理作業には時間がかかる。



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神奈川県立近代美術館 葉山 で、1月29日まで開催のベンシャーン展に

ラッキー ドラゴン という作品が出品されている。

病院のベッドに座る皮膚に被曝の痕跡が残る半裸の男性が

メッセージボードを持っている、ベンシャーンの作品。

ベンシャーン自身は、その時点では第五福竜丸そのものを見てはいないと記憶する。

寺田政明は1975年に東京湾夢の島付近に放置されていた第五福竜丸を取材した。

1975年7月初め、梅雨時のじめじめとした雨天に私は同道。

身の丈より高く茂った葦原をかきわけて、傾きかけたその漁船は不気味な存在感に溢れていた。

寺田画伯は、雨の中、夕暮れまで幾枚もデッサンしていた。

興奮していたのか、頭からもやもやと湯気がたっていた。

その年の9月に150号ちかくの油彩大作は上野の東京都美術館で開催された

主体美術協会展で発表され、話題を呼んだ。

ベンシャーンの「ラッキードラゴン」は、福島県立美術館が所蔵している。
作品はそれ自身がその身の置場を選択するという。
ビキニ環礁での被曝した漁船の船員を描いた作品。福島第一原発事故。
不思議な因縁めいたものを感じるのは私だけではないだろう。







 
先進国の中でも、この国ほど芸術文化に対する国策のない国はないだろう。

アメリカはかつて、世界恐慌時のニューディール政策で

アーティストへの仕事もつくり、支援し、芸術文化の枯渇を防いだ。

この国では、芸術文化は二の次三の次である。

十年以上前、内戦の収まらぬ時期のグルジア共和国を旅した。

日本でいえば、銀座の真ん中にあるホテルさえ外壁は弾痕が痛ましく残り

日に幾度も断水するさなか、世界からアーティストを招聘して

彫刻シンポジウムを開くのである。インフラさえままならぬ状況でである。

何故か、と訊ねると、異口同音に

「生活の復旧と文化の復旧は同時進行しなくては本当の復旧とはいえない。」 と。

芸術文化が生活の一部、というより、

生活の重要な部分として捉えているのである。

小学校では、民族の伝統的な舞踊歌謡などから教える。

民族の誇りを大切にするところから教育が始まる。

吉本隆明的にいうと、アジア的なのかも知れない。

民族の違いで、すぐに刃傷沙汰になるが、心はピュアなのだ。

男は男らしく優しいし、女は恥じらいを持ち美しい。

男女それぞれ、逞しく活き活きとしている。

参院選の広報を見聞きしていて、グルジアの体験を懐かしく思い出した。

そんなグルジアでのシンポジウムに参加した作家のひとりである

彫刻家 松田文平さんの彫刻展を9月に計画している。

優しく、逞しい文平さんの彫刻が楽しみです。

ここのところ、「彫刻」「抽象」をキーワードに、かつて読んだ本を読み返している。

これが、なかなか面白い。心に響いた一節を随時紹介していきます。

『坐忘録』(堀内正和著、1990、美術出版社刊)もそのうちの1冊。

著者は堀内正和。2001年に90歳で亡くなった日本の現代彫刻のパイオニア。

弊社銀座時代には個展もしていただき、多くのことを学ばせていただいた。

『坐忘録』 は、自身彫刻家である著者の視点で主に現代彫刻家を綴っていて、

とても学ぶところの多い本。彫刻家の自身のためのノートとでもいえる本です。



今日の一節 :

『 芸術は人間になる果実だ 』

坐忘録 26頁 フランスの彫刻家、画家でありまた詩人でもある ジャン・アルプの

言った言葉として紹介している。(ジャン・アルプ 1886-1966)

なかなか、詩人らしい、心に響く一節です。

そんなアルプの世界を堀内は、

「人間は木や石や水や雲と同じ価値の無名の自然の一員であり、その一員になる

果実である作品もまた木になる果実と同じように自然の一員になってしまう。これ

がアルプの世界だ。無差別平等界といってよかろう。」 といい、そして、

「その作品が「何を表現しているのですか」と訊かれても、アルプとしては、

「ではあの木あの雲は何を表現しているのですか」と問いかえすより答えのしようが

ないのである。」 と著者は括る。


『坐忘録』は、美術史家や美術評論家のテキストとはまた違う視角の文章で、

分かり易く、また、美しい文章です。美術関連の文章ですが、人間としての生き方、

をも示唆するお奨めの一冊です。  是非、一読あれ!!










hana_chan_tree.jpg






  佐々木華枝 クリスマスツリー

弊社サロンギャラリー『アート プラネット』で

恒例になった展覧会『工房集2010カレンダー原画展』がはじまる。

知的障害をもったアーティストの展覧会。

いつも、この展覧会を催す毎に同じことを考える。

彼らの作品をみていると、いつも癒され、勇気をもらう。

神様がいるとしたら、彼らに特別なパワーを与えているのだと。

この展覧会は社会福祉法人みぬま福祉会 川口太陽の家 工房集 のご協力により開催します。

展覧会情報 : http//www.artp.ecnet.jp/


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